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福岡県筑後市の動物病院『わかな動物病院』です

動物臨床医学学会年次大会の参加報告

2018-11-24

こんにちは。動物看護師の岩本です。

11月17日~18日にかけて、大阪で行われた「第39回動物臨床医学学会年次大会」という全国の獣医師、看護師が集まるセミナーに行って来ました。

このセミナーは獣医学に関する基礎知識や疾患、療法食、理学療法等についての講演や、企業の展示、学生や動物病院のポスター発表などがあり興味深いものばかりでした。

企業展示の様子

企業展示の様子

たくさん講演や発表がある中で私がとても関心を持った講演は「高齢動物」についてです。

私たち人間と同じようにワンちゃん、猫ちゃんにも必ず老化がやってきて、その老化はどんどん進行していきます。

運動機能の低下、知覚(視覚、聴覚)の低下、認知機能の低下様々な問題が起こりますがこの症状に早く気付いてあげることが進行を遅らせるとても大切なことだそうです!

症状が進行し悪くなって病院でお薬をもらってもなかなか効かないことが多いそうです…

例えば、認知機能に問題が出てくると、覚えたことを忘れる(おすわり・おてなど)、知っている場所で迷う、親しい人なのに認識できない(警戒、怒る)、昼夜の逆転、トイレの場所を間違える、落ち着きがない、遊びなどに無関心になる、といったことが起こります。猫ちゃんは「おすわり」や「おて」といった芸は覚えさせることがほとんどないので分かりにくいですが、トイレの場所を間違えたり、夜鳴きをするようになることが認知機能低下のサインだそうです。

運動機能が低下すると、ワンちゃんの場合は散歩に行きたがらなくなる、走らなくなる、階段を嫌がる、尻尾を下げている、跛行(びっこ)がある、昼夜の逆転…などがります。猫ちゃんでは爪が伸びる(爪とぎをしない)、グルーミングが減る、気性が荒くなる、ジャンプしない、トイレの外・手前で糞尿する、殿部(腰の辺り)の筋肉が落ちる、などの症状があるそうです。

お気付きかと思いますが、認知機能と運動機能の低下の症状が同じものもあります。よって鑑別は慎重に行わなければなりません。間違えるとお薬をやっていても全く効かず改善しません。そしてどちらも早期発見が大切で、遅れると認知機能の場合は薬が効きずらくなり、運動機能の場合はレントゲンで異常に気付いてもその時にはもう最終期になっているそうです。

2日間のセミナーを通して、たくさんのことを学ぶことができました。この経験を活かして、私も飼い主様からお話を伺ったり、来院されてからの動物の様子を見て問題に気付けるように心がけます。

講演会の様子

講演会の様子